阪神高速道路大阪池田線の延伸は、それまでの終点だった豊中市蛍池から分岐して、伊丹・池田・川西を通り、池田市木部出入口で、国道173号及び国道423号に連絡する延長7,400mの路線である。大阪府池田市・箕面市・能勢町や兵庫県川西市・猪名川町の阪神間北部地域は、大阪都市圏のベッドタウンとして急速に発展し、国道173号・176号の混雑が年々ひどくなってきていた。さらに、この地域は、将来に渡っても人口増加が予想されたため、1981年(昭和56年)2月に大阪府域が、同年3月に兵庫県域が、それぞれ延伸事業を都市計画決定し、翌1982年(昭和57年)3月に工事が開始された[注43]。
川西市内を通過する区間は約1,400m。通過区間での用地買収などの交渉を円滑に進めるため、川西市は、1984年(昭和59年)4月に土木部に高速道路推進担当を配置した。国道176号に出入りする小花出入路を導入するため高速道路が通る小花・小戸地区では、地下掘割式構造(「ふたかけ構造」もしくはそれに優る構造)を求める強い要望があり、1980年(昭和55年)に、地域の自治会が中心となり結成された地元連絡協議会による一時工事中止の実力阻止行動があった。1984年(昭和59年)10月には、阪神高速道路公団、建設省近畿地方建設局猪名川工事事務所(当時)、川西市、地元連絡協議会の4者は、環境保全問題や関係住民の生活再建問題について誠意をもって協議する旨の協定(いわゆる「4者協定」)を締結した。
その後、阪神高速道路の構造に関する協議を重ね、より良好な環境を確保する観点から、高架構造をふまえた整備案が阪神高速道路公団から提示された。この整備案に基づき、関係者間において協議が進められていった。1992年(平成4年)10月には、4者による「環境保全に関する協定書」が締結され、常時観測所の設置など、環境保全対策が実施された[注44]。