(5)市政改革

 柴生市長は、当選後、1990年(平成2年)11月15日発行の『広報かわにし』第748号に「就任のごあいさつ」を掲載。「開かれた市政へ向け 市民とともに新しい川西を」と題して、自らの基本姿勢と8つの基本政策を次のとおり打ち出した。

表10-04 柴生市長が打ち出した基本姿勢と8つの基本政策
【基本姿勢】
■市民が見える、共感できる市政を
■開発より人間を大切にする行政を
■職員が意欲にあふれる市役所を
■市民との対話を、議会とは論議を
【基本政策】
1.開発計画と市財政を根本から見直し、腐敗構造を徹底糾明し、一掃します。
2.総合交通体系を確立し、交通渋滞を一日も早く解消します。
3.子どももお年寄りも女性も、みんなが大切にされる教育・福祉・文化行政を進めます。
4.雇用拡大と労働時間の短縮をめざし、働く女性の権利を守り、勤労者が生きがいをもてる行政を進めます。
5.土地の高騰をおさえ、公営住宅の建設に努めます。
6.中小・零細企業、地場産業の育成と近郊農業の充実を図ります。
7.騒音公害から市民の暮らしを守り、環境整備に努めます。
8.非核・平和・人権を基調に、だれもが誇れる川西市をつくります。

 

 就任直後の1990年(平成2年)12月には、新助役として西岡正士・大西庄衞両氏を起用。市議会での選任同意を得た[注18]。そして、直ちに次の改革に取り組んでいく。


【写真10-01】柴生進市長[注19]


【写真10-02】西岡正士助役[注20]


【写真10-03】大西庄衞助役[注21]

 

◆入札改革

 入札の改革については、1990年(平成2年)10月15日、伊藤・前市長の逮捕後の島本助役の記者会見で、市が発注する工事の予定価格が外部に漏れるのを防ぐため、入札手続きを改善する旨の表明がすでになされていた。具体的には、市長を決裁から外すこと、予定価格を入札日の前日に記入することなどの内容であった。その後、庁内での検討を経て、1992年(平成4年)4月から、下表のとおり本格的に実施の運びとなった[注22]。

表10-05 入札改革の内容
【業者選定や入札価格の決裁権】 ➡「市長」から「助役」に
【入札価格の記入日】 ➡入札日の「前日」に変更
【入札結果の公表】 ➡「1千万円以上」の工事で実施

 

 

◆「一日市役所」「市長への手紙」などの新設

 市民が見える、共感できる行政の実現に向けて、地域に出向き「一日市役所」を実施することになった。また、「市長への手紙」「市長からの手紙」といった、市民との双方向の対話を実施していった[注23]。

 

◆行政点検の実施

 1991年(平成3年)8月、市は兵庫県に依頼して市の行政点検を実施した。市の行政事務の方法論を重点に行政指導による点検を受けたもので、概要は下表のとおりだった[注24]。

表10-06 点検結果について
1 入札、工事請負契約から工事完了検査に関する事務
(1)工事請負業者審査委員会に諮る工事金額の規定整備について  指名競争入札に係る業者の選定については、適切かつ公正を期するため川西市工事請負業者審査委員会が設置され、指名業者の選定が行われているが、審査委員会に諮るべき案件の工事金額が規定上明確にされていないので、規定の設定を図る必要がある。
(2)工事請負業者審査委員会の機能充実について  現在、運用上、設計金額が9,000万円以上の工事については、工事請負業者審査委員会において指名業者が選定されているが、過去3箇年において、同委員会に諮られた件数は、指名競争入札をした工事総件数の3%程度となっている。業者選定のより一層の公正を図る観点から、審査委員会に諮る工事金額の見直しを図る必要がある。
[参考]審査委員会に諮る工事金額について
   兵庫県    5,000万円
   県下他市平均 2,600万円
(3)入札指名業者名の公表について  入札前における指名業者名の公表は、現在行われていないが、昭和57年3月30日付けの中央建設業審議会からの建議にもあるように、指名業者名を指名通知後なるべく早期に公表する必要がある。
(4)その他  予定価格については、従来、入札執行日の一定期間前に市長又は専決権者において決定されていたが、予定価格の漏洩を防止する観点から、昨年、その時期の見直しが図られている。このような改善努力と共に入札事務に当たる職員は、その職務の内容から特に厳格な執行が求められるので、引き続き職員の職務に対する自覚、公務員倫理の向上に努められたい。
2 行政財産の目的外使用許可及び普通財産の貸付けに関する事務
(1)公有財産規則の制定について  公有財産の事務については関係条例や財務規則に基づき実施されているが、行政財産の目的外使用における許可基準、使用料や減免等の具体的取扱い、普通財産の貸付けにおける貸付料の算定等細部の規定が未整備であるため、各財産を管理している担当課では実際の事務処理に当たり統一的な判断がされにくい状況にある。また、各財産管理担当課からの協議、報告が制度化されていないため、公有財産事務の総括担当課である契約検査課では市の公有財産の細部にわたる把握が困難な状況にある。公有財産管理事務についてより一層の適正化を図るため、公有財産規則の制定をはじめ諸規定の整備を行う必要がある。
3 公金の管理・運用に関する事務
(1)電算による財務会計システムの導入について  全庁的な電算による財務会計システムについて検討がなされているが、事務処理件数の著しい増加に適正かつ円滑に対応するためにも、早期にこのシステムの導入を図る必要がある。
(2)事務処理の改善について  支出負担行為の際、原課から会計室にその金額、予算等について通知し、会計室のチェックを受けることとされているが、より適正かつ円滑な公金管理を行うため、この通知に契約書等関係書類を添付させるなど、前記の電算による財務会計システムの導入を機に、事務処理の改善を図る必要がある。
(3)公金の効率的運用について  公金の管理運用については、各部課の資金計画表をもとに資金計画を立て、効率的な運用に努められているところであるが、より一層の効率化を図るため、次のことについて検討されたい。
①資金計画表を各部課においてより精緻に作成すること。
②支払日については、登録された一定の債権者については、毎月15日、月末に統一されているところであるが、可能な限り、他の支払いについても、支払日を統一すること。

 

 これらの指摘項目は、いずれも順次実施されていった。