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序

昭和四十七年に鹿角市が誕生してから十周年を迎えた。

青垣山をめぐらせる鹿角の里と詠まれた鹿角市は、四方を山に囲まれた南北に細長い盆地にあり、国立公園十

和田八幡平を北と南に置き、東には峻嶮なる奥羽山脈をひかえ、西には鉱脈を秘めた山々が連なっている。中

を南北に貫流する米代川は盆地の中程で男神女神の狭間から西に抜けて、遠く日本海へと流れ去る。寒冷な雪国

にあっても比較的おだやかな気象条件と、豊かな自然に恵まれている。

この恵まれた自然環境の中で、わがふる里には数千年の歴史が刻まれてきた。特に日本の原始時代の代表的遣

跡である「特別史跡大湯環状列石」は、今からおよそ四千年前の人々の残したもので、ここに一大集落があった

といわれる。また最近、東北縦貫自動車道やその他の発掘調査等から、原始古代から中世に至るまでの人々の生

活の跡が続々と発見されている。

一方、「重要無形民俗文化財大日堂舞楽」や「花輪ばやし」をはじめとする多くの民俗芸能にみられるように、

価値ある文化遺産を豊富にみることができる。

また、一、二〇〇年の歴史をもつといわれた「尾去沢鉱山」は、先年、閉山のやむなきに至ったが、これまで日

平の産業を支えてきた鉱山の一つでもあった。これらの産業を興し、文化を育て伝えてきた祖先の心情は多くの