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第五節鹿角市の生物

鹿角市は、秋田県の最北東部、北緯四〇度付近、東経一四一度付近に位置し、南北に走る奥羽山系の中にある。

南と北から流れる米代川の支流に沿って南北に長い盆地を形成しており、周囲を奥羽山系の山々にかこまれてい

る。したがって、内陸型気候で寒暖の較差が大きく、冬は積雪も多く、寒さのきびしい裏日本型の気候を示して

いる。こうした地形や気候の特性が鹿角地方の動植物の種類や分布に大きな影響をもたらしているが、鹿角地方

全体の動植物についての総合的調査は十分に行われておらず、資料も乏しいので、今後十分調査を重ねてその実

態を明らかにしてゆく必要がある。

ここでは現在までに報告発表された資料を中心として、鹿角市における動植物相についてその概要を記す。

一、概観

周辺を海にかこまれ南北に長く横たわっている日本列島は、海洋の影響を強く受け、年間を通じて全国的に雨

に恵まれ、森林がよく発達しているので森林の国といわれる。そしてこの森林を母体として実に多くの植物が生

活している。このような森林の発達も、気候要因、主として温度によって支配されるところから、南北に長く緯