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〓八幡平の植物
人幡平は秋田・岩手の県境に位置する標高一六一四メートルのアスピーテ型火山で、岩手山・駒カ岳・乳頭山
などに連なる那須火山系の火山群のひとつである。山には到るところに火山活動に伴う特有の現象がみられると
ともに、豊富な動植物の自然に恵まれていて、全山が原生的自然におおわれている。昭和三十一年にはこうした
貴重な自然とすぐれた景観が認められ、八幡平から焼山・駒カ岳・乳頭山・大深岳・岩手山までを含む広大な地
域が国立公園に指定された。
この八幡平の北側の一部区域は鹿角市に属しており、区域内には後生掛温泉・ふけの湯・焼山などのほか、多
くの池沼や湿原などの豊富な原自然が含まれており、鹿角市にとって最も貴重な自然区域を占めている。
八幡平の自然については、早くから多くの研究者によって調査報告がなされているので詳細についてはそれら
にゆずり、ここにはその中から特に特徴的な面についての概要を記すにとどめる
〓明りょうな垂直分布の景観
八幡平では麓から山頂までたどることによって、そこに明りょうな垂直分布の姿をみることができる。鹿角市
側の登山口であるトロコ温泉付近から道路沿いにその推移をたどってみると、まず標高六〇〇メートル付近の山
麓下部一帯は、ミズナラ・ウダイカンバ・リョウブなどの二次林でおおわれている。かつて八幡平はこうした山
麓下部までブナの原生林でおおわれていたものだが、現在ブナはほとんど伐採されてその姿を見ることが出来な
い。それにかわってミズナラ・ウダイカンバ・リョウブなどの若い木が混生した二次林が形成されている。この