テキストを表示
れるが、それは、アイズシモツケ・イワデンダ・キバナノカワラマツバ・イチゴツナギ・ナガハグサ・シオガマ
ギク・タチコゴメグサ・ヤマノコギリソウ・ミツバベンケイソウなどの植物によって特徴づけられている。
次に特徴的な植生としては、小豆沢から湯瀬へぬける渓谷沿いの旧道にみられる岩壁地植生である。大地平
のグランドを過ぎた旧道後半の地帯では、上下にけわしい断崖がせまり、遠くから眺めると、大きな岩の上にア
カマツが連なる、典型的な植物群落がみられる。こうした場所の中から、石通付近の二、三カ所について植物相
調査を行った結果、アイズシモツケ・クモノスシダ・コモチレンゲ・ミヤマハタザオ・イワキンバイなどの注日
すべき種類がみつけられたが、今後これらの場所を広く調査することによって、さらに多くの種類の分布が明ら
かになるものと期待される。次にまた、この地域が岩手県境付近に位置することから、岩手県の奥羽山脈地帯の
植物(南部的要素)が、どの程度この地域に現われるかについては、特に関心のもたれるところであるが、調杳
の結果ではいくつかの生育が確認されている。岩手県の奥羽山脈地帯でやや普通に産しながら、秋田県で生育の
知られないものは三〇種にのぼるが、その中、ナンブサナギイチゴ・オオバショウマ・バイカウツギ・オオトボ
シガラの四種がこの地方で発見された。これによって、湯瀬地方の植物相には、岩手県奥羽山脈地帯と共通する
要素の生育が確認されている。
さらに高田氏はこの調査によって、湯瀬地方の標高二〇〇~四〇〇メートルの低地帯に産する植物について、
シダ以上の高等植物六四〇種、一七変種を目録として発表しているが、こうした小地域にこれだけ多くの種類が
生育じていることは、男鹿半島・太平山・協和町・八幡平に次ぐ種類数であり、中にはオオトボシガラなどの