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ゾユズリハ・ハイイヌツゲなどの、裏日本要素の低木やチシマザサの植生がみられる。

こうした周辺の変化はあるものの、沼だけは古くからのままの姿で、静かに水をたたえて静まりかえっている。

そして沼の中には、この沼を特徴づけている多くの浮島が浮いている。浮島の中には、周囲一〇メートル以上

もあろうかと思われる、大きなものが三つ程みられる。

浮島の成因については、普通周辺のミズゴケにおおわれた地表面が、長い間にミズゴケの遺体が分解せず、堆

積して泥炭層を形成し、やがてその基底部が沼の周辺の水にとけて、浮島が出来るとされており、作沢沼の浮島

も、表面がミズゴケに厚くおおわれているところから、そうした要因によって、発達したものであろう。

この浮島の上に一歩足をふみ入れてみると、足もとが沈んでゆく程の厚いミズゴケの層があり、島の上を歩く

と、弾力性があり、ゆらゆらとゆれうごくことから、浮島の裏面が完全に沼の底から離れていることがわかる。

浮島の植生としては、一面のミズゴケとモウセンゴケの中に、サワギキョウ・アイバソウ・ミズオトギリ・ヒ

メナミキ・タチギボウシ・ノリウツギの低木などがみられる。また沼の中にはヒルムシロが繁茂し、沼の表面を

広く、四分の一程おおっており、岸近くにはミツガシワが群生している。

ブナなどの落葉広葉樹の原生林におおわれ、全く自然のままの姿の中に幽すいのたたずまいを長く保ちつづけ

てきた作沢沼も、現在では周辺の原生林もほとんど姿を消し、スギやアカマツの植林が進められている。こうし

た大きな環境の変化は沼の周辺一帯の景観を一変させただけでなく、沼や浮島の植生にも少なからず影響が及ん

でくるのではないかと気づかわれる。特にこの沼はモリアオガエルの生息地としても貴重な場所であり、これら