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しかし近年、黒森山もスキー場としての整備がますます進むと共に、自然公園としての事業も行われ、前述の

ような貴重な草地は年々その範囲が減少し、それにかわって、ヘラオオバコ・ブタナ・ムラサキツメクサ・ハル

ワキヤマガラシなどの外来植物の侵入がみられるなど、急激にその姿をかえつつある

〓滅びゆく低地の湿原

湿原といえば、八幡平の大沼や大谷地などの発達した湿原を思いうかべるが、こうした奥地や高地でなくても

平坦地の人里近くに私たちは小規模のいわゆる谷地とよばれる湿原をよくみかける。そうした湿原は、山麓や沢

あいの地下水の高いところや、伏流水の湧きでているような場所にあり、そこには環境に応じた草地の発達がみ

られる。

これらの湿原は、その地域の農家の採草地として利用されたところが多く、常に人々のはたらきかけのくりか

えしが行われることによって、大型草本や木本類の侵入がおさえられてきた結果、ミズゴケ・モウセンゴケをは

じめトキソウ・ミミカキグサなどの小型湿原植物群落の植生が成立し、保たれてきた。しかし最近は、農作業の

機械化が進み、家畜が姿を消し、こうした湿原もほとんど放置された状態となっているところが多く、その結果、

ヨシの類やハンノキなどの侵入が著しく、次第に衰退の一途をたどっている。

大谷地

鹿角におけるこうした湿原の代表的なものは、草木地方に数か所みられる。そのひとつは、大湯中通

の宮ノ平から草木への途中にみられる湿原、俗称大谷地である。ここは、両側のなだらかな低い丘の谷間に広が

○巾二〇~三〇メートル、長さ二〇〇~三〇〇メートルの、採草地として利用された細長い湿地帯である。ここ