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菩提野湿原(ヨシなどの侵入によって衰退がみられる)
には、昭和三十五年頃まではミズゴケの中に、モウセン
ゴケ・ミミカキグサなどの食虫植物が豊富にみられ、そ
のほか、カキラン・サワラン・ミズトンボ・ミズギクな
ど多くの湿原植物を伴った低層湿原であったが、人為的
遷移の抑制がなくなった結果、現在ではヨシやハンノキ
の侵入によって全く姿をかえてしまった。その遷移の進
行がおそく一部残っていた区域も、最近ヨシや低木類の
侵入が進んでいるところから、やがて草木大谷地の多く
の湿原植物は、全く姿を消してしまうものと思われる。
この湿原については、鈴木広司氏が「菩
提野・蛇沢湿原」についてとして調査報告を発表してい
るので、それに基いて概要を記す(『上津野』六号一九八
一)。位置は花輪の北東部、奥羽山脈の麓にひろがる菩
提野扇状地の中央寄りの、雁府という部落の近くにある。
菩提野扇状地の伏流水の地表に湧き出た水が、その下流
一帯を浸すように流れ、そこに巾約五〇メートル、長さ