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とあり、各村々において夫々「御境御法令」を申渡している。この年の秋廻りは御代官が行い、同『御用留』九

月七日付に「御代官〓田小兵衛御村廻ニ付御境御法令仰せ渡され、立合御用の為馬淵貞助毛馬内古人小沼万五郎

臼連、去ル五日より同七日迄相廻り御法令申渡し候」と記されている。この御法令申渡しの初めは、寛政から亨

和へかけてのことと思われる。杉江家文書の内にその全文が残り、勝又家文書には「花輪通御境附御法

令」の表題で花輪分が残されている。内容は、村々毎に御境付御百姓としての心構え、行動規範、禁止事項など

が具体的に認められ、領境の緊張感が文面に漂っている。その村々によって内容が異なるので、長文であるが左

に引いてみる。

花輪村久保田村鏡田村狐平村小深田村

高屋村花軒田村(原本は一村ずつ並列している。以下

同じ)

一、前々ヨリ仰渡サレ候通御境目大切ニ相守り御墨引近所ニて

木草苅取或ハ脇道通路仕り間鋪候。尤も秋田領借入通用致候

横端、牛馬除ノ垣エ障申さざる様ニ仕る可く候。勿論御境近

所ノ在町ニ候ノ間諸事油断無ク相慎ミ申す可き事

一、御境通ニ於て何そ相替る儀之れ有り候ハ古人井山見共迄申

聞可く候。其節指図次第罷出て御用義相勤候様心懸申す可く

候。尤他領より侍上下人数ニて罷通候ハ何方エ通候ト様子

委相尋ね早々所役人エ訴申す可き事。

一、他領より欠落者其外怪鋪者参懸候ハ町ハ検断村ハ肝煎エ由

知らせ早速御代官所へ訴申す可く候。惣じて猥かましき儀之

れ無き様堅く相守る可き者也。

解沢村西道口村尾去村松館村石鳥谷村

川部村三ケ田村長内村白欠村長牛村

、前々ヨリ仰渡され候御境御墨引大切ニ相守り御境近所ニて

草薪堅く苅取申し間鋪候。惣じて少も猥かましき儀之れ無き

様ニ百姓共ニ申知らせ急度相守り脇道等通路仕り間鋪候。前々

も放牛馬御墨引を越他領畑へ入り作毛喰散し六ケ敷事共出来

申候間、村ノ者共放牛馬御墨引近所へ参らず候様随分見廻り、

十文字道より内ニて草飼仕る可く候。此段牛頭張番念入見廻

り申付可く候。尤も横端道下他領畑牛馬除ノ垣破申さざる様

仕る可く候。毎歳仰渡さるる儀ニ候ノ間急度相守り申す可く