テキストを表示
炭背負等がこの作業に従う。次は熔鉱行程となり、床屋で行われる床吹きがそれである。床吹きは、第一段階の
床尻
素吹(白吹)と、第二段階の真吹に分けられる。素吹は焼鉗を熔解して、銅鋏と荒銅
)を取る。真吹はさ
銅
らに銅鋏を熔解して荒銅とする作業である。なおこれらの焙焼・熔鉱行程には、大量の春木・衣草・大炭や炭
木炭
灰(
〓)を必要とした。春木は薪材のこと、衣草は火の廻りをよくするために窯の上にかける藁や枯草類のこ
粉
とである。大炭はこの冶金精錬に使用する木炭で、この大炭を搗いて粉末にしたものが炭灰である。
お表中、〓物働二一人とあるのは、山中に堆積した捨銭や鉱滓類を取集め、唐臼にかけ細かく砕き、舟掴
笊揚を行って仕上げ吹床にかける閑物銅の作業者である。また沢揶働は、閥物働の捨てた爰を更に唐臼にかけ舟
〓・笊揚を繰返して仕上げ吹方する作業者のことである。これらの閥物銅や沢掴銅も少なからぬ量にのぼり、前
述のごとく文化八年には閥物銅等五、六万斤を地売銅とすることを幕府に願って許されている。
四カ山御入用諸品
銅山の必要とする生産資材や諸用度品、山内生活者の必需物資等は年々莫大な数量に上っ
ていた。寛政元年幕府見分役下向の際に、尾去沢、白根、不老倉、水沢四カ山の「御入
用諸品」一カ年分として、次のように書上げられている(
「銅山秘録』岩手)
県立図書館蔵
)。
一、米壱万弐千駄程、此代三万貫文程、壱駄ニ付弐貫五百文程、内六千駄御銅山、六千駄白根不老倉水沢御山分。
一、味噌大豆八百駄程、此代千七百七拾六貫文程、内三百五拾駄御銅山、四百五拾駄右同断三御山。
、葉たはこ九万斤程、此代千三百五拾貫文程、一斤ニ付拾五文程、内四万五千斤御銅山、四万五千斤右同断三御山。
一、剪たはこ壱万六千〆程、此代九百拾弐貫文程、壱〆五拾七文程、内六千〆御銅山、六千〆白根水沢、四千〆不老倉
御山。