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第10図中西屋(村山)・秋田屋の店預り(阿部佐一郎氏蔵)

此年花輪町東屋新蔵井ニ村山宇八、栗山九八店より預り切手出、右一

付米相場百文ニ付壱升三合、両替壱両ニ付十二貫文致し候。

(同前)

この預り切手の発行により、米相場は一〇〇文に付二升四合が倍近

い一升三合に値上りし、両替相場も一両に付正銭六貫八〇〇文から

挙に一二貫文に下落した。嘉永元年(一八四八)四月、月山神社修復

に当たった大工等からは、支払いは店預りではなく正金でして欲しい

との願書が代官所に出されている。

(前略)此度花輪通三店通用預り、当六月八日より引替仰付けられ候

之趣御沙汰ニ候。然ル処最初目論見申上げ候節ハ正金銭之心得ヲ以申

上げ候処、今度之御沙汰ニ付而ハ、三店預り之儀ハ委細御存知下置か

れ候通、既ニ不通用ト申程之不相応之両替ニ而、迚茂取付御普請ニ乃

兼ね当惑罷有り候。

(町井家文書)

三店の預りや、同時に流通した鴻池伊助等の預りの発行は、鹿角の商業に一時は流通上の利便を与えたが、

反面正金の裏付けがないため大暴落し、金融恐慌の要因となったのである。