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て、その玄関と接していた。また田中は、小山少参事が官舎としている元花輪南部家屋敷の一角を住居としてい

た。リューマチを病んでいた田中が湯瀬温泉での湯治をおえて帰った、翌々日の早暁のことであった。小使の急

報によって真先に駆付けた彼は、木村を抱き抱え衣服に血の染みつくのも厭わず介抱しその臨終を見届けたのち、

聴訟という職掌柄直ちに犯人探索の手配を進めた

「田中正造全集』

第一・九巻

)。その探索が厳重を極めたことは、村方に残

る御用留類からも読みとることができる。

○廻文を以て相達し候条、三日の夜九ツ半時木村殿宅え浪人体の者押入り怪我に及ばれ候条、其村方厳重吟味の上若右

様の者居合せ候はば、早速召捕り縄からげにいたし、当御役所え届出可きもの也。

二月四日花輪御役所

毛馬内通/村々役人え

追て右様の者隠置候て後日相顕れ候はば、村役人え厳重無調法仰せ付けられ候事。

四日夕六ツ時相達し、即日大湯え相立申し候。

○書付を以て申上げ候事。此度探索御用の為御役先の者御出候に付、村懸りの者同道にて家別吟味仕り候得共、手懸

り疑敷者一切居合御座無く候。此段申上候。以ト

二月五日黒沢市十郎/奈良与左衛門/藤田義右衛門

御役懸所御手先半治殿

大湯御用懸新太郎様手先源太殿

右は所探索御用の為にて御出候節、私先達にて家別吟味仕り候得共、疑敷者一切立寄居合申さず候

尤四日夜より村々順達にて夜廻り致させ候。昼夜老名共家別に廻り穿鑿仕り居申候。以上

九日大湯新太郎様源太殿御出、家別吟味仕り候。

十二日花輪より元館元治殿御出、家別に吟味仕り候。

十三日大湯新太郎様源太殿御出、家別私同道にて吟味仕り候。