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町村会・町村長の権限は、町村制施行によっていちじるしく強められた。町村会は、町村のもつ諸事務の一切

を議決する最高の意思機関であり、町村長は町村会の議決の執行者かつ町村の代表となった。また町村長は、町

村有財産・町村歳入出の管理、吏員の監督、証書・公文書類の保管、使用料・手数料・町村税などの賦課・徴収

等の権限をもっていた。これらは町村自治における画期的な進展であったが、反面国や県の監督も強化され、多

くの制約が定められていた。例えば、町村長・助役らの選挙結果は県知事の認可を得て後に効力をもち、町村会

の指定事項にかかわる議決は内務大臣や郡参事会の許可を必要とし、ほかにも行政事務の監査、町村会議決の停

止、吏員の懲戒処分などにわたる監督官庁の拘束が行われた。

このほか町村長に委任された国・県の行政事務も多かった。兵役、戸籍、土地収用、伝染病予防、河川、道路、

小学校その他については、町村長が町村会とは無関係に、官庁の指揮命令のもとに事務を処理しなければならな

かった。これらの委任事務は町村役場の仕事の大半をしめ、役場は本来的な自治団体の執行機関というより、国

や県の出先機関的な役割を多く担う形となった。換言すれば、町村長は自治体の責任者であるとともに、国の末

端行政官僚としての性格を併せもつこととなった。

市町村制は、その後四四年四月に至り全面的な改正が行われた。それは公共団体としての独立性を強化すると

ともに、町村長の権限を強め、最末端官庁としての性格を明確にするものであった。また町村会議員の任期は従

来の六年を四年とし、三年ごと半数改選を廃し全数改選の制とした。その選挙人の等級別の方法も変更し、かつ

原則として単記投票制とすることなどに改められた。しかしなお公民の資格要件の撤廃や等級制の廃止について

は、大正一〇年以降の改正をまたねばならなかった。