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主を求めたものの、ついには手離さざるを得なかった。一七年同借区権の譲受人となった盛岡菊池幸七の認めた

「契約書」等の内容から、その譲渡までの経緯をみてみる。すでに一一年に銀主周旋のことを北海道札幌荒谷金

吾に依頼したが、なかなか約束通りに事は運ばなかった。一四年六月までに、青森県弘前工藤弘文、銀栄両人と

の間に借区券名義および鉱場諸建物諸器械とも譲渡の約定を交している。一七年になって菊地幸七が新たに不老

倉鉱山借区譲渡坑業取行について契約することとなり、工藤らとの間に解約にむけての示談を進めた。

その上で菊池は、借区人七名と不老倉鉱山譲受の契約をとり結んだ。その譲受代金は二、七〇〇円と定められ、

借区人側は一連の契約処理について花輪高瀬喜代治を総理代人とした。その借区譲渡願は左の通りであった。

借区譲渡願

秋田県陸中国鹿角郡平元村平民

譲渡人石川冨弥

外六名

岩手県陸中国南岩手郡盛岡大清水小路平民

譲受人菊池幸七

外壱名

一、秋田県陸中国鹿角郡大湯村不老倉山官地

字久七沢壱万弐千坪

臺所沢六千坪

番鳥沢弐千坪

地森沢千坪

板子沢四千坪

合計銅鉱場弐万五千坪

但借区税五百坪ニ付金壱円

前書之地所明治十年五月中借区開坑御許可相成鉱業罷

在候所、今般熟議ノ上譲渡且譲受可申義、示談相整候

間願之通御許可坑区券御書換御下渡被下度、依之譲渡

人譲受人連署ヲ以仮坑区券相添此段奉願候也

明治十七年四月

秋田県陸中国鹿角郡平元村石川冨弥

同県同国同郡同村浅切乙吉

囘県同国同郡同村米田金兵衛

〓県同国同郡同村豊田喜陸

同県同国同郡同村豊田忠太

同県同国同郡草木村藤田喜七

同県同国同郡毛馬内村高橋熊太郎

右七名総理代人