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坑区券をめぐる紛争

一〇年一月、大湯村外一カ村戸長諏訪巳代治から県に対し「坑区券書替奥印附与ノ恙

ニ付伺」が提出された。その内容は、不老倉鉱山借区券書替に係わる戸長奥印を求め

られ調査したところ、同鉱山借区人菊池幸七・近藤重治両名のうち、近藤はこの度身代限りの処分を受けたので、

青森県

坑区券の名義を菊池一名に書替えるための出願であった。しかし以前に近藤が斉藤甚助

)より借財し裁

岩館村

判沙汰となった際、斉藤から近藤の名義に関する転売譲与等の願書には戸長奥印を与えないよう願い出があった

ので、それを聴許している。この度の菊池幸七の願書に対し、戸長として奥印を付与すべきかどうか何分の指令

を仰ぎたいという趣旨であった。

これについて県は、鉱山譲与を条件とする貸借には県令の証印を必要とする。私の貸借に奥印差押を聴許した

のは、戸長の不都合というべきである。県の証印を経ざる貸借と鉱山は無関係なので、菊池幸七券状書替願に奥

書を与えることは妥当である、と指示した。