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式を挙行するに至った。まさしく心機一転の契機として、毛馬内は新生の巨歩をふみだすこととなった。
式を挙行するに至った。まさしく心機一転の契機として、毛馬内は新生の巨歩をふみだすこととなった。
尾去沢鉱山の繁栄と不離一体の関係を保ちながら、尾去沢の村政は順調に堅実に発展した。
和一一年七月、新築の村役場が笹小屋の協和館向いに、着々と工事が進められていた。同
明暗の尾去沢
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八月の村会は満場一致で町制施行を決議し、県は申請により九月二九日の施行を告示した。戸数一、〇五九戸、
人口六、〇二一人、予算額は役場新築追加費八、〇〇〇円を含め総計六万三、〇〇〇余円。特別収入として鉱産
税の移譲による二万五、〇〇〇円、鉱山寄附金が五、〇〇〇円と、町民負担の軽さにおいては全国的に恵まれた
町であった。
同年一一月三日の佳日をえらんで、尾去沢町制実施并びに役場新築落成祝賀式が鉱山協和館において盛大に挙
行された。宮城佐次郎町長は「従来尾去沢は政争の波紋もなく鉱山、役場、学校が三位一体となって平和な自治
体を建設して参りました」と述べ、吹原弥生三鉱山長は「尾去沢町民の九割が尾去沢鉱山従業員並びにその家族
でありますので町の利害休戚は直ちに鉱山の利害休戚なるに思いを致し」云々と祝意を表している。
このように全町民あげて喜びにつつまれ、明るい将来を夢に描いているとき、誰が刻々と迫りくる暗黒の魔の
手を想像することができただろうか。町制を布いて五〇日、祝賀の屋台が町内を練りあるいてからわずかに一七
日め、一一月二〇日午前四時すぎ警戒中の中沢鉱滓沈澱池が大音響とともに一瞬のうちに決壊した。ダム真下の
谷合いに密集していた町の中心市街地は、忽ちのうちにかけ下る泥流に押流され呑みこまれ、惨擔たる光景のな
かに多くの人命が失われていた。死者・行方不明三六四名、重軽傷八一名、罹災世帯数三三二と、わが国におけ
る鉱山災害の最大の事件となった。