テキストを表示
(『鹿角郡産業調査書』による)
で自らは農業経営にたずさわらない地主のことである。
小作反別の増加は、当然自作反別の漸減を意味すると共に、
土地所有の多くがもっぱら少数地主の手中に帰することであっ
た。地主たちは次第に他町村にまで土地兼併の勢いをひろげ、
その不在地主化も進捗していた。つぎに各町村における田地
所有の分布状態を掲げてみる。
所有田地のうち他町村に分布する割合の多い、いわゆる不
在地主としての所有面積は、毛馬内町がもっとも多く、花輪、
尾去沢とつづいている。第四表による「自町村民所有総反別」
のうち「他町村における自町村民所有反別」の占める百分率
は、尾去沢村が七〇・二パーセントとなり、毛馬内町六三・
三、花輪町三七・八、宮川村、大湯村の一四パーセント台の
順につづく。尾去沢村の高率が目立つのは、自村内の田地が
もともと少ないことと、近世以来鉱山従業者として土着した
冨裕層の人たちが、近郷に田地を購い次第に寄生地主化して
いる実態をあらわしたものである。