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公有林の整理

入正期の本県林政における大きな懸案は、公有林野の整理統一にあった。公有林野の実態は

入部分が無立木地となって年ごとに荒廃が進み、とくに部落有林の多くは漫然と部落の専有

物のごとく乱伐乱採の弊に陥っていた。この部落有林の整理統一の問題は、すでに明治二二年の市町村制実施時

点にさかのぼり、市町村自治体強化のための財政的基盤づくりの必要から着目されていた事柄であった。同四一

年ようやく公有林野造林規則が公布され、荒廃しつつある公有林野の造林とともに、部落有林野の整理統一を促

進することとなった。

これまで部落有林野の統一を困難にしたのは、いうまでもなく地元農民にとって生活上欠くことのできない使

用収益の慣行、すなわち入会慣行をともなっているからであった。県の指導も慎重で、つねに納得のゆくまで啓

家を重ね、地元民による自発的整理となることを原則としたのでなかなか進まなかった。

大正九年公有林野官行造林法が公布されたのは、公有林野の荒廃は国土の治山治水上からも放置できないとす

る政府の危機感によるものであった。当時の市町村の財力では独自に造林を達し得ないという実状にあったので、

国と町村が契約を結び、国が町村の提供地に地上権を設定して造林を行い、伐採期の収穫は国と町村の分収割合

を五分五分にするという、町村にとってきわめて有利な条件のものであった。

右の官行造林法実施のため秋田大林区署のなかに、公有林野官行造林署の一課が置かれ、その出先として県下

に担当区が設けられた。造林地の選定条件として、町村の所有する林野で入会慣行が解消され管理区分の確定し

たるものであること、従来の無立木地であること、小柴生地は無立木とみなす等が提示されている。また県は市

町村公有林野官行造林条例準則を示し、町村の権利として造林後の、1下草落葉落枝の採取2樹実菌茸類の採