テキストを表示
れ、さらに翌八年の総会には道路拡張の件と表現を改めて提案しなおされている。その結果道路拡張には小店撤
廃という難関をともなうとしての慎重論と、即時実行の両論にわかれながら、議論がくりかえされていた。
円年夏、谷地田町長年寺角より沢口角までの間を、道路面三間ほかに排水溝左右各一尺とすることにほぼ計画
がまとまり、九年の完成をめざした。一〇年二月鹿角時報には、つぎの記事が掲げられている。
○
店を張り商をする人にとって、旧歳末いわゆる詰
)は一年最後の決算である。一月二九日は大湯の詰市、三一日に
め
は毛馬内、二月一日は丁度旧詰二八日の市日が花輪に立てられた。今年は上ミの番に当って、折柄呉服屋、雑貨店等の
売出しの旗が色とりどりに風になびいて賑かであることは勿論、昔は上市といえば一部番屋の前から舟場角までである
のが、沢口角から新田町へ行き舟場を一丁も曲がる位の大きい市日である。(略)天気はよし人出のあること、ま
の洪水である。上りの汽車も下りの汽車も増結して満員すし詰という状態。売出しで賑わったのは石木田、奈良安、阿
関直等の呉服店に〓店は断然人を呼び集めて居た。(略)二月三日は旧詰の大晦日、朝から人の行き来も繁く歩行を片
しい、皆帳面と袋を手にして歩いている、今日一日の勝負、そしてよき歳をとりたいという希望は皆を懸命に走らせる
であろう。結果を聞けば大抵予想以上の収得があったらしい。お互が無やみに借りる生活をしなくなったのと、貸さない
ことに努めかつ月勘定等も行われてきた結果でもあろうが、又いわゆるカネ廻りがよくなったのかとも思われる。
流石昔あった寝たあとでカケ取に戸を叩かれたなぞの挿話は聞かなくなったのは嬉しいことである
戦前の賑かな市日風景とともに、当地の長年の商習慣であった掛売、掛取などが、この一〇年あたりから少な
くなり始めたことを物語る一文である。
市場規則
二年には、沢口角から横町角まで二九五メートル間の県道拡張工事が決定をみたが、この道
路の拡幅は交通上の必要を認められながらも、小店撤去につながる問題として思うように進捗