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あとがき
大湯南部(北)家御次留帳の紹介も、全七冊のうち、これで五冊目となりました。大湯南部家の家士をはじめ
農民や商人の動向をも窺い知ることのできる公式記録として、貴重なものがあります。
安政七年(万延元年)は明治維新の九年前、騒然とした情勢が伝わって来る記述が見うけられます。例えば一
月には外国人との応待についての指示があり、八月には流行の隠し念仏を取り締るようにとの布告が出ています
さらに九月には他藩との境目の警戒を厳重にするよう命令があって、鉄炮・大炮が数多く配備されています。
また一月に大湯南部家の当主・壱岐が火消役に任ぜられており、その御供立の有様が載っているので、弘化三
年分(「資料編第十七集」)の火消道具の図と合わせて読めば、藩政時代の消防組織について知ることが出来る
でしょう。
この他、八月には藩主・南部利剛の大湯館止宿、九月には壱岐の妹御庫の嫁入りの記事がありますが、いずれ
も「詳しくは別帳にあり」となっているのは残念です。
原稿の解読には協力員の石田大三氏が一人であたり、嘱託の安村二郎氏が全体を校閲しました。おふたかた
および原本所蔵者の諏訪氏に対し、厚く御礼申し上げます。
(市史編さん室主任阿部正記)