島松軟石は、支笏カルデラ(支笏湖を形成した火山)が活動していた約4万年前に噴出した火砕流(高温で噴き出た火山灰や軽石)が固結した溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)です。軟石の良さは、軽くて加工しやすいことで、明治時代から昭和30年代まで切り出され建設資材として用いられましたが、第二次世界大戦後、コンクリートブロックなどの普及により利用は激減しました。現在、北広島市では島松軟石の採掘業、石加工は行われていません。けれども、市内数十か所に島松軟石でつくられた建造物が点在しています。
北広島駅の東側には、平成4年までJA北広島(当時)の倉庫が並んでいました。その中に軟石造りの倉庫があり、芸術文化ホールを建設する際に軟石の一部をホールのエントランスの壁面に生かしました。
島松駅逓所の近くにあるかつての島松軟石の砕石場跡
芸術文化ホールの壁面に生かされた軟石
札幌軟石と島松軟石の見分け方
同じ支笏カルデラの噴火活動によってできた札幌軟石と島松軟石ですが、含まれる鉱物に違いがあります。札幌軟石には白い軽石が、島松軟石には薄ピンク色の軽石が含まれています。現在でも市内の住宅や倉庫に島松軟石をつかったものがあります。
芸術文化ホールエントランスの島松軟石の壁
札幌軟石(白い軽石)