島松川と音江別川の間の丘陵部に、道有林と一部民有林からなる「南の里の森」があります。古くから水源の確保や薪炭林として利用され保全されてきました。コナラやイタヤカエデなどの落葉広葉樹が主です。区内には、小さな沢がいくつも流れており、雪解けの時期にはくぼ地は水に浸り、ミズバショウ、エゾリュウキンカなどの湿生の春植物が現れます。
南の里緑地入り口
ミズバショウ群落の様子
昭和47年には南の里環境緑地保護地区及び島松環境緑地保護地区に指定されました。さらに、平成17年には樹林地のほぼ全域が特別緑地保全地区として指定されました。緑道が整備され植物だけでなく野鳥や小動物の観察もできます。
(観察可能です)
イタヤカエデ
カエデ科
5月の新緑時には小さな手のひら状の5~7つにさけた若葉が開く。黄色く色づく秋の紅葉も美しい。
図版:(株)環境緑地研究所より
【市内にあるその他の環境緑地保護地区】
・富が岡環境緑地保護地区(観察可能です)
・西の里環境緑地保護地区
・島松環境緑地保護地区
スプリング・エフェメラル 可憐な春植物たち
長い冬がようやく終わり、雪解けした林床にようやく日が当たり始めると、真っ先に芽を出し可憐で小さな姿をみせてくれます。彼らは春植物(別名:スプリング・エフェメラル)と言われ、周りに立つ大きな木々がまだ若葉を出す前、林床が明るい時のほんの数日しか花を咲かすことができません。
エゾノリュウキンカ
キンポウゲ科
雪解け水が流れる沢筋や湿地に鮮やかな黄色い花を咲かせる。
ナニワズ
ジンチョウゲ科
雪残る早春に黄色い花を咲かせ、夏に葉を落とすことから別名「ナツボウズ」とも呼ばれる。
エゾエンゴサク
ケシ科
青い小人の帽子のような小さな花を咲かせます。
ミズバショウ
サトイモ科
本州では標高の高い山地や湿原に分布するが、北海道では里地や湿った道脇に自生している。
ザゼンソウ
サトイモ科
花を咲かすときに発熱し、周囲の氷雪を溶かして開花する。
シロバナエンレイソウ
ユリ科
代表的な春植物のひとつ。雪解けすぐ林床に光が届く時に一斉に花を咲かせる。