開拓時代の畑作【その壱】第十四話

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 開拓時代の畑作は、ムギ、ダイズ、小豆、アワ、ヒエ、トウモロコシ、ジャガイモなどが主なものでした。中には夏でも寒い日が続いて、ほとんど作物のとれない年もあり、大雨で川の水があふれ、田や畑が水びたしになり、作物がみな腐ったこともあったそうです。
 私の家では明治二十九年(一八九六)三島の土地へうつりました。毎年少しずつ開墾していったのですが、沢地のため土地が肥えていて、何年も肥料なしで作物をつくることができました。しかし何とか畑の格好がつくまでには、十年以上かかりました。菅原善蔵(三島)
 高台のあたりは水田がなく、畑だけでエンバク、ナタネ、コムギなどを作っていました。暑いさかりのナタネ落としや、雪がチラつくころのダイズ落としなど、よく働いたものです。内山スナ(広島)
 昔は子どものうちから、ずいぶん働きましたよ。そのころはみんながそうでした。つらいこともあったけれと、収穫の楽しみもいいもんで、庭にムシロをしいて、カラサオで豆落としなど手伝ったものです。和田マツ(大曲)