にぎわった大曲の草競馬【その弐】第四話

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大曲でにぎわったのは、何といっても馬頭観音の草競馬だろうね。馬頭さんの祭りに奉納するんだが、近くの町村から人も馬も集まってね。大変にぎやかなもんだったね。
(大曲 坂井繁)

 
 明治三十八年、日露戦争の勝利を祝って、明治三十八年の競馬が、一番大きな催しであったね。そのころ「競馬」は珍しいものだったから、見物人もたくさん来たね。乗馬あり、輓(ばん)馬(ば)あり、ドサンコ馬が主で、騎手がまたはでな服装で、色とりどりの帽子で、それはにぎやかだった。屋台店が出る、そば屋、飲食店まで出るという人出だった。札幌に本物の競馬場ができてから、あまりそういうこともなくなりましたね。
(大曲 坂本安太郎)