「広島むかし話」は、「あすなろ文庫」(栄町昭和五十四年~六十年)の毎月の「あすなろニュース」に掲載され、語り継がれ、子どもたちの手から地域に広がっていました。
その後、昭和五十八年から「文芸北広島」に「子どものための広島むかし話」として、三年間掲載され、多くの人が知るところとなりました。
それから二十八年が経ち、今度は今の大人が子どもたちに語り継がなければという思いから、あらためての製本化と、漢字を用いた編集のご了解を得て、図書館フィールドネットが「きたひろ昔話」として再編集と製本化を行うこととなりました。
木村氏が子どもたちのために作ったものには、「広島むかし話」七十二話のほかに、「開拓カルタ」、紙芝居「もえる石」があります。
今回の編集にも、同じあすなろ文庫の伊野英子さんが描かれていた挿絵や「開拓カルタ」の絵を多用させていただき、足りない部分は、市内にある郷土の紙芝居や昔の写真を追加しました。
今、九十九歳になる木村氏は、当時の聞き取りで会われた方々を思い出し、目を細めて懐かしがられていました。
(あらき記)