[軟石のこと]

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 ここで初めて建物に軟石を使ったのは、村田牧場っていう、今の演習場なんですけどね、そこに大きな牧場あったんですよ。そこのバターを作った小屋が、建物に軟石を使った最初だって書いてありますけどね。(『百年一〇〇話~恵庭の風になった人々~』より)
 
 石を掘り出した場所は、早くにはこっちの恵庭分の川の向こう側の、川上の方。それから、私が覚えあるのは、今の高速道路の下の出っ張り。一番出たとこね。道路の切り立ったところの横に見える石。あの辺りです。
 北海道の軟石でこの近くの軟石に近いのは、石切山と今の有明。あそこの、アシリベツの滝行く途中にある。あと、同じ石ではないですけども、少し硬めで色の変わったのは、登別と今の美瑛っていうところから出たんですね。それから、小樽にも少し軟石みたいな石が出たんですよね。その場所は、はっきり分からないけども。
 
一番初めの頃出してた軟石は、いわゆる地杭って言うんですか、家建てる束石。束石に使ったり、あと、炭釜。炭釜の口石っていうのもありました。石を炭釜の口に置いて、火つけるとこに、こう囲うんですね。そして火つけたら、石でまたこう蓋して。火止め、いや、空気止めっていうんですか。それも軟石で。それはもう、あっちこっち、この苫小牧の方から日高の方まで随分出ましたね。山から炭焼くのに、施設必要ですからね。一回きりじゃないですね。何回も使ってますね。
 
 軟石は、火には、強いんですよ、割と。バラバラにはならない。結構、強いですね。軟石にはうんと硬い石もありますけども、そういう火に使う時は軟い石の方が丈夫なんです。焼くと、どうしても硬くなりますんで。それで、硬い石持っていくと、もうひび。
 
 使い分けがあるんです。ぐっと中心の硬いのは、お墓に使ったり。本当に軟らかいものはちょっとした建物だとか、例えば、物置に、小屋に石積んだり。石が崩れないような硬さになってからですね。あとはそうですね、少し硬くなってくると、建物でも、農家の納屋だとか、畜舎やら、住宅、それから、サイロね。牛飼ってる牧場のサイロだとか。今は、もう、無くなった…まだあるのかな?あの、江別の町村牧場にも、二本ほど作りに行ったことありますし。北の里ですか、湯浅牧場にもいってるし。