[軟石の今]

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 住宅の建築やめたのは、ブロックが段々と出てきた頃。片一方は、もう、型枠に入れてボンと固めてれば、すぐに、何ぼでも出来るだろうけど、こっちはそういう訳にいかんから。
 
 内装は、大体、そうですね、モルタルみたいの塗って、そして、それに、どうぶちかな。釘も入ります。そして、それに、建材を貼ってく。風は入りませんね。窓さえきちんとしておけば。
 
 やっぱりね、農家の人に聞くとね、ブロック作りの畜舎と、軟石で作ったのと、全然軟石の方がいいって言ってますけどね。
 この辺も、まだ出るんですけども、今、機械化されて、人間の手で掘ったとこを、機械でずっと切るんですよ。そうすると、この辺の山は、自然に入っているひびがあっちこっち入ってるんで。機械でまっすぐ切ってしまったら、無駄が多いんですよ。斜めになったり。人間の手で採ればね、そこに合わせて採れるんだけども、曲がったとこ、直線に全部切ってしまうから。それと、深さが、あんまり採れないっていうことで。あとは、市街の近くになったものだから、環境破壊っていうんで、許可しなくなったんですよ。火山灰が飛ぶとか。今ですか?軟石の場合は、(札幌の)常盤っていうとこで一箇所指定されてるだけですね。
 
 一番最後は、えーと、何年頃かな。ずっと引き続いてやってるもんだからね。昭和、何年頃かなぁ。三七~三八年くらいかなぁ。札幌オリンピックの頃は、やってなかったね。やってなかったかな。
 
 あっちこっちの農協の資材倉庫、石造倉庫ね。恵庭にもありますし、千歳にもありますし。北広島にあったのが、解体されて、今ね、市民センター(芸術文化ホール)の壁(3)になるんですよね。軟石をスライスして、鉄のリブ打って、それに貼り付けて内壁の装飾品にしたんですね。きれいに磨き上げて、軟石はいいですよ、本当に。
 
 

 
(3)前掲写真参照。