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次の年、カッコウの声を聞きながら久蔵は、今年はどうか芽が出ますように と祈りながら、赤毛の種籾を蒔きました。
ところが、五日たっても、十日たっても芽が出ていません。二十日ほど たちましたが、それでもいっこうに芽が出る気配はありません。
デデッポッポ デデーポッポ
デデッポッポ デデーポッポ
まわりの林からは、山鳩の声がひびいてきます。
その山鳩のなき声が、久蔵には「デンデン穂、デンデン穂、稲の穂は出ないぞー」と聞こえました。
久蔵は急に腹が立ち、ズカズカと苗代に入っていき、一粒、一粒 籾を調べました。でも、芽が のぞいている籾はありませんでした。
久蔵は、今年も ご飯が食べられないのかとがっかりして、ぼーっと突っ立っていました。
「ハ、ハ、ハックション。うーさむ!」
冷たい苗代に突っ立っていた久蔵の体は、すっかり冷え込んでしまったのです。
ところが、五日たっても、十日たっても芽が出ていません。二十日ほど たちましたが、それでもいっこうに芽が出る気配はありません。
デデッポッポ デデーポッポ
デデッポッポ デデーポッポ
まわりの林からは、山鳩の声がひびいてきます。
その山鳩のなき声が、久蔵には「デンデン穂、デンデン穂、稲の穂は出ないぞー」と聞こえました。
久蔵は急に腹が立ち、ズカズカと苗代に入っていき、一粒、一粒 籾を調べました。でも、芽が のぞいている籾はありませんでした。
久蔵は、今年も ご飯が食べられないのかとがっかりして、ぼーっと突っ立っていました。
「ハ、ハ、ハックション。うーさむ!」
冷たい苗代に突っ立っていた久蔵の体は、すっかり冷え込んでしまったのです。
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