(1)丘陵

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阿武隈高地の東麓から海岸にかけて、丘陵が広く分布している。海抜高度は山麓部が約一〇〇メートルの高さを有し、東に向ってしだいに低くなり、海岸付近では約三〇メートルの崖で終っていて、崖には基盤岩が露出している。この丘陵地は、一見台地、または海岸段丘のようにもみえるが、地形の分類上は丘陵に属する。この丘陵には鞍掛(くらかけ)山(二五一メートル)や鷹取場(たかとりば)(一六〇メートル)などの高地があり、阿武隈高地に対して、前山(まえやま)帯的な関係にある。

 丘陵を構成している第三紀層の基盤岩は、元来一連の地層であったが、阿武隈高地から東流する塩田川、大北川、花園川、里根川などによって南北に分断された。茜平(あかねだいら)などから太平洋方面を眺望すると、ほぼ同じ高さの平坦な丘陵が、海に向って幾筋も縞状に並んでいるが、これは分断された地形を物語っている。


茜平から眺めた丘陵と平地

 これらの丘陵は、南から南部丘陵(日棚、松井、石岡)、中央部丘陵(上小津田、下小津川、車、臼場、磯原、湯之網(ゆなみ))、北部丘陵(関本、平潟、大津)に区分され、中央部丘陵が最も大きい。


北茨城市の地形分類図