市内には一〇か所の古墳群と八か所の横穴墓群が知られているが、いずれも学術的な発掘調査は実施されていない。しかし、いずれも後期に位置付けられるものである。
市内最大の古墳は、関本町大塚古墳の全長一〇〇メートルの前方後円墳であるが、形状などから疑問視する研究者もおり、詳細な調査が必要とされている。そのほか前方後円墳は中郷町南塚古墳群・矢指塚古墳群・天王塚古墳群などにみられるが、削平されたものもある。南塚古墳群からは人物埴輪・円筒埴輪が出土し、天王塚古墳からは太刀類の出土が『松岡地理志』に記載されている。
横穴墓群は、磯原町・関南町・大津町など海岸よりに群集してみられ、磯原町尾形山横穴群(百穴)から銅〓蓋(どうわんふた)・小型〓(ほう)製鏡・玉類・須恵器などが出土し、二ツ島横穴から金銅装太刀・直刀・玉類・須恵器などの出土が知られている。