1 ゆるやかな傾斜の上に

3 ~ 4 / 881ページ
 小平市は総面積約二〇・四六平方キロで、東京都の総面積(約二、一八七・六五平方キロ)の約〇・九四%を占め、東西延長約九〇キロの東京都本土部の、ほぼ中央に位置している。小平市を中心とした地図を用いて、周辺各地までの距離を調べる(図1-1)と、約五〇キロの位置にあるのは、西方では東京都の最高峰である雲取山(くもとりやま)(標高二、〇一七メートル)、南方では鎌倉(神奈川県)、東方では船橋(千葉県)である。宇都宮(栃木県)は北方へ一〇〇キロの位置にあり、一〇〇キロ圏内に入っているのは房総半島や富士山などで、伊豆半島も北部は圏内に入っている。二〇〇キロ圏になると、福島県の南半分から、静岡県のほとんどが含まれる。なお、小平市のほぼ中央に位置する市役所は北緯三五度四三分四一秒八、東経一三九度二八分四一秒五である(図1-2)。
図1-1
図1-1 小平市の位置と主要都市までの距離

図1-2
図1-2 小平市の範囲と四辺の経緯度
◎は市役所の位置、○は地域センターの位置(1.中島 2.上水新町 3.小川西町中宿 4.小川西町 5.小川東第二 6.小川町二丁目 7.学園西町 8.上水本町 9.小川東町 10.学園東町 11.喜平 12.大沼 13.美園 14.天神 15.鈴木 16.御幸 17.花小金井北 18.花小金井南)

 市域全体の地形は西端が最も高く、東方へ向うに従って次第に低くなっている。市域の最高地点は、玉川上水と野火止(のびどめ)用水跡に挟まれた中島町の西端で、標高九八・二メートルである。一方の最低地点は、市域の東端に位置する石神井川(しゃくじいがわ)の河床で、標高六〇・四メートルである。この位置は、台地を石神井川が七メートル前後侵食して形成された窪地である。このことから、市内の最高地点と最低地点の高度差は約三七・八メートルである。台地上での最低地点は、石神井川河床の最低地点から北方へ約一〇〇メートル離れた位置にあり、標高は約六七メートルである。ここから最高地点の中島町西端までの直線距離は約九、〇五〇メートルであることから、台地上におけるこの間の平均勾配は一、〇〇〇分の約三・四四八で、角度にすると一度にも達せず、約一一・六秒(一度の約六〇の一一)であることを示している。
 このように、ほとんど平坦な土地であることから、「小平」の地名が付けられたと伝えられている。