天神窪

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 交差点から北東方にあるスーパーマーケット一帯を底面とし、底面の長径は約一七〇メートル、短径は約一〇〇メートルの大きさである(図2-12)。西側と南側は、台地上の縁からは急斜面となっているが、北北東側は緩やかな浅皿状窪地の斜面で、窪地は美園町二丁目へ続いている。交差点付近における周辺台地面との比高は一・五メートル前後で、美園町(みそのちょう)二丁目へ向かう途中では一メートル以下である。

図2-12 天神窪付近の地形

1.窪地と周辺の斜面 2.排水場がない窪の平坦な底面 黒点は標高点の位置で数字は標高(m) 細線は等高線で、主曲線は2m間隔(数字の単位はm)。A-Bは第20図の位置で、①~③は柱状図の位置。#は測水井戸

 地質との関係についてみる(図2-13)と、かつての窪地は現在よりさらに約二・五メートル深く、周辺台地面からは約四メートルの深さだったようである。武蔵野砂礫層が基底にあり、その上位には粘土層が厚さ一メートル以下で堆積しているが、窪地の中心から東方へ向かって厚くなっている。さらに上位は関東ローム層であるが、下部の約二メートルは凸レンズ状に凝灰質になっている。地下水面は、降水が多い平成二二年一一月には地表面より約一〇メートル深かったが、降水が少ない平成二三年四月は、一一月の水位よりさらに約二メートル深い位置にある。周辺地区の地下水面を描くと、天神窪を中心として周辺地区から三から四メートル浅い地下水堆となっているが、その理由は武蔵野砂礫層と上位の粘土層との関係ではなく、武蔵野砂礫層内に原因がある。
図2-13
図2-13 天神窪付近の地形・地質断面図
1.盛土及び表土 2.関東ローム層(斜線の部分は凝灰質粘土層) 3.粘土層 4.砂礫層 5.シルト~砂~砂礫の互層 A-Bは第19図に示した断面図の位置。①~③は柱状図の位置。♯は測水井戸