山王窪とその南方の窪

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 山王窪(さんのうくぼ)は小平警察署の西側に位置する(図2-14)。底面は北北西から南南東方向へいくぶん細長く、長径約一八〇メートル、短径は約一六〇メートルである。西側から北側にかけては、周辺台地面との比高は二・五メートルから三メートルであるが、東側の警察署側は建物や道路の設置のため一メートル以下となり、青梅街道駅の方向へ向かって浅皿状の窪地は消失する。別の一つは、山王窪から南方へ約三〇〇メートル離れた位置にある。規模は山王窪より大きく、南北に長軸をもつ卵形で、底面は南北約三〇〇メートル、東西約一九〇メートルの大きさである。周辺台地面からの深さは約三メートルである。
図2-14
図2-14 山王窪付近の地形
凡例は第19図と同じ。A-Dは第22図の位置で、①は柱状図の位置

 地質を明らかにする地質柱状図は、二つの窪地の間に一つあるだけである(図2-15)。それによると、武蔵野砂礫層の上位で関東ローム層との間に層厚約七〇センチ砂質粘土層が挟まれ、関東ローム層の基部の約一・六メートルは硬質である。地下水面は、降水が多い平成二二年一一月には地表面より約一一・五メートル深かったが、降水が少ない平成二三年四月には一一月よりさらに約三・五メートル深い位置であった。天神窪とは異なり、地下水堆は見られない。
図2-15
図2-15 山王窪付近の地形・地質断面図
A-Dの断面の位置は第21図を参照。①は地質柱状図の位置