2 自由地下水の流動

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 地下水は地表面に存在する水と同じように、低い方あるいは水圧が低い方へ向かって、ゆっくりではあるが、絶えず動いている。小平市では一般に水平方向へ、一日に一から二メートル動いていると考えられている。流動は等高線に対し直角の方向である。上述した図2-11によると、地下水を包蔵(ほうぞう)している滞水層は武蔵野砂礫層で、水位が上昇すると関東ローム層の下部までが滞水層になる。
 図3-3は調査期間中、水位が最も高い平成二二年一一月における、地下水面の等高線図である。
図3-3
図3-3 小平市における平成22年11月の自由地下水面
細線は等高線で、数字の単位はm。黒点は測水井。細い鎖線は急斜面。太い鎖線で囲まれた範囲は地下水堆

 図によると、五日市街道にある三つの測水井(そくすいせい)では西端が最も高く、そこから青梅街道や五日市街道に沿う測水井へと、ほぼ等間隔で等高線が低くなっていることから、小平市内における地下水の水源は、降水と西方からの流動水と考えることが出来る。市内では中島町の小平・村山・大和衛生組合で最も高く、標高八二メートルとなっており、西武多摩湖線付近の標高六六メートル付近まで、等高線はほぼ南北方向に走っている。それより東側では北東方向へ向かって傾斜し、田無スカイタワー付近で標高六六メートルである。地下水の一般的な移動は、等高線の向きに対し直角方向であるので、中島町から西武多摩湖線付近までは、西端からほぼ東方へ向かって流れているが、西武多摩湖線を過ぎると向きを北東方向へ変え、黒目川や白子川へ向かっていることになる。鈴木町二丁目と花小金井二丁目には、周辺より二から三メートル地下水面が高い浅堆(せんたい)が形成されている。その中で花小金井二丁目の浅堆がある位置は、周辺の台地面より一から二メートル低い浅皿状窪地の位置と重複するが、鈴木町のそこには浅皿状窪地は分布していない。
 図3-4は調査期間中、水位が最も低い平成二三年四月における、地下水面の等高線図である。図によると、五日市街道にある三つの測水井では、一一月と同様、西から東方へ向かって低くなり、国分寺崖線より東側でも、ほぼ等間隔で等高線が低くなっている。このことから、この時も小平市内における地下水の水源は、降水と西方からの流動水と考えられるが、五日市街道付近の水位が青梅街道付近の水位に比べ、一から一・五メートル高くなっているため、等高線に対する最大傾斜は北北東方向を向いている。また、水位は一一月に比べ三メートル前後低下している。地下水の浅堆についてみると、鈴木町二丁目と花小金井二丁目ではそのまま存在しているが、加えて天神町一丁目にも周辺より一から二メートル高い浅堆が出現している。この天神町一丁目は浅皿状窪地となっている場所である。
図3-4
図3-4 小平市における平成23年4月の自由地下水面
細線は等高線で、数字の単位はm。黒点は測水井。細い鎖線は急斜面。太い鎖線で囲まれた範囲は地下水堆