1 地下水位が最も高い時期と低い時期の地下水面までの深さ

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 地下水は半径数十メートルの範囲であれば、ほとんど平坦であるが、地表面が周囲より盛り上がっている場所は、地表面から地下水面までは深くなり、一方、窪みの場所であれば、そこは地下水面までは浅くなる。このことを前提として、小平市内における地表から自由地下水面までの深さの状況を図化した。
 水位が最も高い平成二二年一一月における、地表面から地下水面までの深さの状態を図3-5に示す。最も深い一五メートル以上の深さになっている地区は、玉川上水駅の南側で、玉川上水に沿って南台病院付近までの範囲と、白梅学園を中心とした地区である。ここから玉川上水に沿って深い範囲が背骨のように東方へ延び、御幸町(みゆきちょう)では八メートルの深さになっており、そこから深い支脈が北東方向や南東方向へ延びている。全体的に見ると、この時期の地下水面は一〇メートルから一五メートルの深さである。市域の北西部にあたる栄町一丁目から小平霊園にかけての地区でも、自由地下水面は一三メートルから六メートルの深さで、西側で深く、東方に向かうに従って浅くなっている。
図3-5
図3-5 小平市における平成22年11月の自由地下水面までの深さ
細線は地表面から地下水面までの等深線で、数字の単位はm。網模様は窪地や氾濫低地

 一方、浅皿状窪地が分布する場所は周辺より一~三メートル低くなっているため、帯状に地表面から浅い場所となっている。「ぐみ窪」から石塔ヶ窪を経て、小平霊園へ向かう細長い浅皿状窪地では、武蔵野美術大学にある窪地、鷹の台駅北方にある窪地、山王窪、平安窪、および天神窪からの浅皿状窪地が支流となっていることから、窪地で水が溢れ出した場合、「ぐみ窪」からの窪地を通って滝山団地内にある白山公園を経て、黒目川へ流れ込むことが分かる。市内東端の花小金井二丁目付近の地下水面は、地表面から約一〇メートル深い位置にあるが、円形の浅皿状窪地ではわずか四・五メートルの深さに過ぎない。また、鈴木町でも周辺に比べて約三メートル浅い地下水堆がある。しかしながら、天神窪は地下水面が地下水堆を上回っているため、浅堆は出現していない。
 平成二三年四月は水位が最も高い時期に比べ、水位は三から五メートル低くなっているため、地表面からの深さも全体的に低下している(図3-6)。最も深いのは玉川上水駅の南方から、玉川上水に沿って喜平町一丁目までの範囲で、一八メートル以上である。そこから北東方向へ深い場所が樹枝状に延び、南東方向では一四メートル以上の範囲と以下の範囲は、直線に近い状態となっている。全体的な傾向は水位が最も高い時期とほぼ同じであるが、花小金井二丁目付近と鈴木町に加え、天神窪も周囲より約三メートル浅い地下水堆となっている。
図3-6
図3-6 小平市における平成23年4月の自由地下水面までの深さ
細線は地表面から地下水面までの等深線で、数字の単位はm。網模様は窪地や氾濫低地