水温は滞水層(たいすいそう)の温度を表すが、測水井は直径が一メートル前後の広さであるため、夏季は地表面からの暖気が影響を及ぼし、冬季も地表面から寒気が浸入する。このため、地下水面付近の水温は、不安定である。そこで、図3-7と図3-8には、井底面(いていめん)の水温を示している。
図3-7によると、小平市内における自由地下水の水温は、地下水位が高い一一月には、一七℃から一七・五℃の範囲が最も広い。青梅街道に沿う西武多摩湖線より東側では、一七℃より〇・一から〇・二℃低く、一方、青梅街道駅より北西側では一七・五℃より僅かに高い地区がある。
図3-7 小平市における平成22年11月の地下水温 細線は等温線で、数字の単位は℃。黒点は測水井。鎖線は急斜面 |
地下水位が低い時期をみると、一七℃前後の水温を示す範囲が最も広い(図3-8)。市内東端の花小金井一丁目から花小金井南町三丁目にかけて、一六℃を僅かに下回る地区があるが、範囲は狭い。
これらのことから、小平市内における水温は一七℃と言える。
図3-8 小平市における平成23年4月の地下水温 細線は等温線で、数字の単位は℃。黒点は測水井。鎖線は急斜面 |