①流域下水道地区(C地点およびその周辺 その1)

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 石神井川谷頭部の中央、かつての湧水(ゆうすい)点に向かって東に張り出す小支丘(しょうしきゅう)の先端部に位置し、南側には浅い谷が入り込んでいる。C地点は都道の下に設置される下水道の竪坑(たてこう)部分の事前調査として昭和五〇年一一月二九日から翌昭和五一年三月二一日まで、小平市鈴木遺跡調査会により発掘調査が実施された【報告書4】。その後、下記の②流域下水道地区(C地点およびその周辺 その2)、③都道北側地区と、北寄りの部分の調査が先行して行われ、最終的に、この両地区とC地点との間の部分と、C地点の西に延びる範囲確認調査d地点部分の本調査に当たる小平市下水道建設用地の全面調査とが昭和五三年四月一日から翌昭和五四年三月三一日まで実施されている【報告書7】。
 調査の結果、江戸時代および縄文時代の遺構、遺物の他、Ⅲ層、Ⅳ層上位、Ⅳ層下位、Ⅴ層、Ⅶ層、Ⅸ層下位、Ⅹ層と、旧石器時代の所産である七枚の文化層が確認された。旧石器時代の資料は、石器類や礫がおびただしく出土しており、礫群、配石、炭化物片集中もⅣ層を中心に多数発見されている。特記すべき資料として、Ⅴ層から発見された石器ユニットと、Ⅹ層出土の大形の打製石斧がある。中でも打製石斧はⅩ層上面から単独で出土した長径が約二〇cmもある資料で、その形状から「わらじ形」と愛称されている。ちなみに、この報告書7では併せてそれまでの調査で得られた資料等を用いた自然科学的な分析結果も提示されている。