石神井川谷頭部の西側、C地点の西に延びる小平市下水道建設用地の南東に一部重複する。昭和五八年二月七日から九月一七日まで、鈴木小学校から都道を横断する地下通学路の築造に先立つ発掘調査が小平市遺跡調査会によって実施された。調査は総面積一三八m
2を対象にⅩⅢ層まで掘り下げて遺構、遺物の確認を行い、一部ⅩⅣ層まで掘り下げて地層の堆積状況の確認も行った。なお市下水道用地の調査区と重複する部分については、Ⅳ層下位よりの調査となっている。また、調査終了後、南壁が崩落したため、崩落土を回収して遺物の検出に務めた。調査の結果、出土資料の母岩別分類と接合作業により旧石器時代の文化層が五枚(第Ⅰ文化層~第Ⅴ文化層)確認された。このうち第Ⅲ文化層はAT層準の新資料で、三点の石器と五点の礫が属し、良質の黒曜石を石材とするナイフ形石器、剥片、切断剥片各一点で構成される[図1-15]。
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図1-15 鈴木遺跡地下通学路地点 |