①予備調査【報告書19】

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 昭和六一年度から国庫補助金を受けて行われて来た鈴木遺跡範囲確認調査は、平成三年度以降名称を市内遺跡発掘調査に改め、小平市内における各種発掘調査に柔軟に対応できるようにして継続することとした。
 そうしたなかで、農林中央金庫研修所北側道路地点の旧石神井川流路を挟んで対岸に当たる三共株式会社小平寮においてもグラウンド南側道路の拡幅にあたり、擁壁の撤去新設が行われることとなった。そこで平成三年度市内遺跡発掘調査として国庫補助金を受けて、平成三年九月二日から一二日まで小平市遺跡調査会により予備調査が実施された。調査は東西に長い工事対象地の両端と中央の三か所の三mグリッドを掘り下げて遺構、遺物の確認を行った。調査の結果、Ⅰ層下位から縄文時代のスクレイパーが発見され、旧石器時代の資料としてはⅣ層中より斧形石器が発見された。斧形石器は通常Ⅸ層やⅩ層の所産であり、注目に値する資料である。以上のように遺物が包含(ほうがん)されることが明らかとなったため、それ以上の掘り下げは行わず、本調査に委ねることとした。