範囲確認調査と予備調査の結果を受けて、確認調査による礫群出土位置隣接部をBグリッド、予備調査による破砕礫出土グリッドの周辺への拡張部を含めた部分をAグリッドとし、原因者の負担のもと民間調査機関に委託して本調査が実施された。調査は平成一六年五月二四日から七月二二日まで一部予備調査と重複しながら実施された。その結果、Bグリッドからは礫群を含む石器ブロックが確認された。Aグリッドでは、平面分布、母岩別分類、レベル、接合関係からの分析の結果、三か所の礫群とそれを含めて広がる三か所の石器ブロックが確認され、全体で一つのユニットをなすものと理解された。このうちの二つの礫群からの抜き取りで残りの礫群が再構成され、またそれぞれの礫群の周囲の石器には被熱(ひねつ)が見られないことから、各礫群が機能している際にその周辺で石器製作等が行われ、最終的に礫群が廃棄された段階でブロックと重複したものと理解された[図1-22]。
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図1-22 鈴木遺跡誠賀建設地点Ⅳ層下位の遺物分布 |