8 セブンイレブン地点【報告書37、41、42】

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 石神井川谷頭部の北西、日立電子和敬寮地点の南に隣接する。開発にかかる案件が繰り返し生じては見送られた結果、平成一五年から平成一八年度までの三次にわたる予備的な確認調査が実施された。
 平成一五年度の調査は、市内遺跡として国庫補助金を受けて遺跡範囲確認調査が行われた。調査は小平市教育委員会を主体とし、民間調査機関に業務委託して、平成一五年八月一八日から九月一〇日まで実施された。東側の三mグリッドからは厚い表土と、台地上とは異なるローム層の堆積とが認められ、都道2・1・3号線地点北側地区で見られた埋没谷が北西に延びていることが確認された。さらに縄文時代の陥穴と考えられる土坑が二基並んで発見され、旧石器時代の所産としてⅣ層下位から礫小片が四点発見された。一方、このグリッドとは直線距離にして一二mほど離れた南側のグリッドからは、同じく厚い表土の下に通常のロームがⅡ層から認められ、遺構は発見されなかったが、Ⅲ層からⅣ層上位にかけてナイフ形石器などの石器が出土した【報告書37】。
 その後平成一七年になって、敷地の北辺寄りでの開発が計画され、平成一七年度市内遺跡として国庫補助金を受け、民間調査機関に委託して平成一七年八月三一日から九月一三日まで調査が実施された。調査では東西に並ぶ三mグリッド三か所をⅤ層上面まで掘り下げた。西のグリッドからは陥穴と考えられる土坑などが縄文時代前期の土器片とともに発見されたほか、旧石器時代のナイフ形石器がⅤ層を中心に発見されたほか、Ⅲ層下位からⅣ層中位にかけて多数の石器や礫が確認された【報告書41】。
 これらの結果から開発計画は変更され、平成一八年に敷地の北西において開発が計画され、平成一八年度市内遺跡として国庫補助金を受け、民間調査機関に委託して平成一八年五月一七日から六月二日まで調査が実施された。四か所の三mグリッドを対象に、Ⅶ層まで、一部Ⅹ層まで掘り下げた結果、やや規模が大きく浅い窪地(くぼち)が西側に展開している可能性が指摘され、縄文時代の陥穴と考えられる土坑が北西のグリッドで発見された。旧石器時代ではⅣ層下位からⅤ層にかけて礫の集中が認められ、Ⅶ層から大形礫五点からなる配石が確認されている。遺物はナイフ形石器などであった【報告書41・42】。