②遺跡

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 鈴木遺跡は武蔵野台地のほぼ中央、標高約七三~七五mの武蔵野段丘上に位置する。石神井川のかつての源流部(谷頭部)を取り囲んで形成され、東に開く馬蹄形を呈する。周辺に水が乏しいため、旧石器時代には人々が繰り返し訪れたと思われ、立川ロームの基底部に相当する古い地層から新しい地層まで連綿と文化層が確認されている。こうした地形上、立地上の特徴もあって、東京都内だけでも約六五〇か所といわれる旧石器時代の遺跡のなかでも最大級の規模、面積を有する。これまでの調査の結果から遺跡の面積は約一一万m2、南北約七〇〇m、東西約六〇〇mに及び、これまでに出土した遺物は、旧石器時代の資料だけでも石器約三万七〇〇〇点、礫約七万六〇〇〇点を数える。このような規模を有するところから、鈴木遺跡ではこの地域における石器文化の変遷をつぶさに追うことができ、武蔵野台地における後期旧石器時代の石器文化の変遷を明らかにすることができた。