表1-2 市内の「完納賞碗」の属性と分類 |
鈴木遺跡出土資料に、小平市が小平町時代の昭和二〇年代末頃から市民からの寄贈を受けて収集して来た民具資料、および市内で発見された資料を加えて検討を行った。法量(ほうりょう)〔大きさ〕はいずれも口径八・三cm、底径三・一cm、器高(きこう)四・七cmと同一で、胎質(たいしつ)や器形も同一のやや小ぶりの丸碗である。
外面の文様
外面に施された文様から、完納賞碗は大きくⅠ類~Ⅳ類に大別されるが、Ⅳ類は雷紋(らいもん)〔四角い渦巻き状の文様〕の巻き方等から、ア、イの二種に細分され、全部で四大別五細分できることが明らかとなった。
外面に施された文様から、完納賞碗は大きくⅠ類~Ⅳ類に大別されるが、Ⅳ類は雷紋(らいもん)〔四角い渦巻き状の文様〕の巻き方等から、ア、イの二種に細分され、全部で四大別五細分できることが明らかとなった。
銘
見込みには、円が二本の平行線で横位(おうい)に分割され、上の区画に「納税」、中央の区画に「小平村」、下の区画に「完納賞」と右横書きで記される消印状の銘(めい)が見られる。銘の大きさや表出方法には差異があり、径の大きい方から銘A、銘B、銘Cの三種に分類される。なお銘Cだけは、上の区画の「納税」の文字の両側に唐草(からくさ)があしらわれている。銘の表出方法は、銘Aが上絵付(うわえつ)け、銘Bと銘Cが染め付けである。
見込みには、円が二本の平行線で横位(おうい)に分割され、上の区画に「納税」、中央の区画に「小平村」、下の区画に「完納賞」と右横書きで記される消印状の銘(めい)が見られる。銘の大きさや表出方法には差異があり、径の大きい方から銘A、銘B、銘Cの三種に分類される。なお銘Cだけは、上の区画の「納税」の文字の両側に唐草(からくさ)があしらわれている。銘の表出方法は、銘Aが上絵付(うわえつ)け、銘Bと銘Cが染め付けである。
生産者別標示記號
Ⅳ類の碗の中には、糸底(いとぞこ)部分の透明釉(とうめいゆう)の下に陽刻(ようこく)で図案化された漢字「岐」と数字「434」が二段に表現されたものがある。この記号と数字は、次項で述べる「生産者別標示記號」(いわゆる「統制番号」、以下記號と略す)と考えられる(天内一九八八、沼崎一九九九)。
Ⅳ類の碗の中には、糸底(いとぞこ)部分の透明釉(とうめいゆう)の下に陽刻(ようこく)で図案化された漢字「岐」と数字「434」が二段に表現されたものがある。この記号と数字は、次項で述べる「生産者別標示記號」(いわゆる「統制番号」、以下記號と略す)と考えられる(天内一九八八、沼崎一九九九)。
分類項目の相互関係
文様と銘の分類の相互の関係を見るとⅠ類とⅡ類には銘Aのみが、Ⅲ類には銘Bのみが見られ、Ⅳ類には銘Cが対応する。またⅣ類イにのみ記號が見られ、例外はない。
文様と銘の分類の相互の関係を見るとⅠ類とⅡ類には銘Aのみが、Ⅲ類には銘Bのみが見られ、Ⅳ類には銘Cが対応する。またⅣ類イにのみ記號が見られ、例外はない。