3 遺跡の立地と範囲[図2-1・2]

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図2-1
図2-1 八小遺跡の遠景(上)と竪穴住居址(下)

図2-2
図2-2 八小遺跡の位置図

『八小概報』には、「遺跡は小平市鈴木町一の三五五番地、石神井川の谷頭に近い左岸に属し、標高七二・五米、比高約一〇米、近くに湧水があり、南面した台上で、谷よりは約一〇〇米離れた地域である」とある。
 遺跡の範囲については、続けて「本遺跡は校庭内にあり、又遺跡の東は小金井カントリークラブで、いずれも土器片を表採することは出来ない状態であるので、遺跡の範囲は不明である。本遺跡の南約三五〇米離れた地点に旧石器時代末の遺跡が存在する。」とあり、文中で明示されてはいないものの、これが挿図中の2とされた回田遺跡をさすものであることは明らかである。また「近くに湧水があり、」という記載は、この『八小概報』の結びにも述べられている「近くに湧水(ゆうすい)が存在することによるものであると思われ、」という記載と呼応するものであるが、具体的な場所は明記されていない。しかし、次章で述べる同じ吉田氏の回田遺跡に関する資料報告(吉田一九六九)に、「ここから約四〇〇mくだった小金井カントリークラブのゴルフ場には湧水があるが、」とあり、小金井カントリークラブ内の湧水点を指すものと考えられる。