図3-3 東山道武蔵路原島農園地点 |
前述の第一地点の後、第二、第五~第九地点の六地点で行われた調査では、古代道路遺構と思われるものの存在を確認することができなかったが、平成一〇年一二月二五日から平成一一年一月二四日まで行われた第一〇地点の調査によって、比較的広い範囲に亘って道路遺構にともなう側溝を確認し、その方向性を捉えることに成功した。また、この第六地点付近からは滑石製勾玉(まがたま)(石製模造品(せきせいもぞうひん))を一点表採(ひょうさい)している[図3-1左]。
調査は、まず幅約三mのトレンチを東西約二二mにわたって掘り下げ、地表下約二〇cmで硬化面を発見した。硬化面は幅約八〇cmでその外側に幅約二〇cmの黒色土が平行するのが確認された。そこで硬化面に沿って南に約一八m拡張して、硬化面の広がりによって示される側溝の位置を確認した上で、側溝の掘り下げを行った。側溝は東西ともに底面が比較的平坦な箱形の溝で、その基底面(きていめん)は方形の土坑が連続する形状を示すことが確認された。