1 堆積状況

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 土層の堆積状況が最も良好であった西端トレンチの南端部を一部Ⅹ層まで深掘りし、基本土層を観察した。これによって、最も石神井川から離れていると考えられるこのトレンチにおいては、現況標高差(げんきょうひょうこうさ)は約五m、Ⅴ層上面で約四m鈴木遺跡の方が高いことが確認された。また約一四〇m東のトレンチとでは約一mの比高差(ひこうさ)が認められるが、これは石神井川の蛇行(だこう)によるものと考えられた。すなわち、現在は当該地の南に位置するゴルフ場である小金井カントリー倶楽部(くらぶ)の地形改変により確認することはできない。かつての石神井川の流路(りゅうろ)が、この付近で急激に北に蛇行しており、これは明治一三年(一八八〇)に測量された迅速図(じんそくず)によっても確認される。