小麦

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 養蚕に次いで収益が多いのは小麦である。この年、六十三俵強の出荷で収益は五百八十五円八十七銭であった。それは収益全体の十八パーセントを占めている。小麦は粉に挽きうどんやまんじゅうを作ったが、うどんの消費が多かったであろう。モノビなどの祝いの日にでる馳走は小平では必ずうどんである。小麦専用の肥料もかなり購入しており、麦は全体で三町ほど作っていた。小麦の出荷先は小川の加藤肥料店となっている。
 小麦に次いで収益が多いのがさつまいもである。さつまいもは小麦の後作で、作付は麦の間作であった。さつまいもはこの年二百十八俵+四十六駄の出荷で五百二十七円二十八銭の収益で、四番目に収益のあるのが大根。これは三百五十九円三十六銭で沢庵漬物、また干し大根として売っている。
図2-1
図2-1
今も作られている麦。まだ若い麦畑 小川町(2009.12)

図2-2
図2-2
実った麦 小川町(2012.6)

 それから小平でも商品作物としてはめずらしいものであろう草箒の収入も二百九円五十九銭と大きい。この草箒は家の座敷などを掃くモロコシ箒ではなく、醤油屋で醤油作りの過程で使用される特殊な箒であるという。問屋を通して千葉県野田の醤油屋で使われた。畑で植付けたまま、選定して形状を整えて箒にする。その栽培方法については後述する。