着用具

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 着物類、履き物、被り物などの、この年の出費総額は百十九円八銭である。一年のなかで着用具の出費は十二月が多く、この月だけで四十円三十四銭の出費である。この着用具に関しては第四章の表4-1に詳細を述べることとし、ここでは概略を述べたい。
 大きく分類すると、着る物はオーバーや着物、帯、襦袢など、洋服、下着のシャツや、作業着の股引、この股引は五枚。そして前述したが外套の一種であるトンビの縫い直し代、そして着物の縫い賃八枚分とある。それに地下足袋十七足、足袋類は二十四、五足ある。購入した反物も数多い。こうしたものは、家族の分だけではなく、家にいた奉公人へのお仕着せの分もあるのであろう。こまごまとした呉服、反物、足袋類を田無の海老沢呉服店や深大寺(調布市)の店、そして長靴を田無の増田屋などで購入している。