目次
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民俗編
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第三章 暮らしの空間 -生活の場とその性格-
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第三節 間取りと屋敷まわり その3 -回田新田の住宅-
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1 草葺き民家の暮らし
家の中にかまえるものの「向き」
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家の中にかまえるもの、神を祀(まつ)る場の向きにはおおよその決まりがあった。ザシキの鴨居の上にお祈りする神棚、大神宮様は南向きか東向きに、流しの上のエベス様、カマドの前の荒神様は南か東向きにかまえ、ただ、荒神様はヘッツイやイロリの位置がかかわるから、火を扱う場所が常に見えるような位置にかまえた。それでも北向きはない。大神宮様をお祀りした裏側にあたる北側のザシキには仏壇が置かれ、それは東に向いている、板敷のイロリの部屋にエベス様が祀られている。